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【物流センター  5つの機能】 第4回 VMI(Vendor Management Inventory)


VMI (Vendor Management Inventory)


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【物流センター  5つの機能】 第3回 DSD(メーカー直送)

今回はVMIについてご紹介させていただきます。

VMI(Vendor Managed inventory)はベンダー主導型の在庫管理を意味します。本来は調達・購買サイドがベンダーに原材料や部品、製品を発注するのに対し、VMIでは調達・購買サイドの生産状況(メーカーの場合)や売れ行き(小売りの場合)などを見ながら、ベンダーサイドが在庫を補充していく仕組み(ルール)になっています。いわゆる富山の薬売り方式です。

(1)工場は生産業務に力を注ぐ

ベンダーは直接ユーザーへ納入する際、JIT納入に対応すると積載効率が悪いにも関わらず納入しなければなりません。この積載効率を向上させたいが為に、ユーザーに前倒しの納入を依頼するようになります。前倒し納入するとユーザー側の生産状況にもよりますが、ユーザーの工場で在庫が溢れてしまうという結果につながります。
本来なら生産された荷姿で工場まで納入できれば良いのですが、ユーザー側は在庫を持ちたくないので、必要な時間に必要な数量納入を求めてきます。
そこでVMIという方式が取られると考えられます。VMIには調達・購買サイドにとって必要な量だけ必要なタイミングで仕入れることができ、無駄な在庫を抱えずに済むといったメリットがあります。そのため、現在では自動車や電機といった組み立て系メーカーをはじめ、チェーン小売業などで導入する企業が増えております。
このようにVMIは調達・購買サイドに多大な効果をもたらしますが、ベンダー側にとっては必ずしも歓迎すべきロジスティクス管理手法であるとは言えません。VMIを採り入れる取引先が増えると、その分だけVMI倉庫を用意しなければならないからです。
調達・購買サイドはJIT納品を実現するため、組み立て生産ライン(工場)の近くにVMI倉庫の設置を求めてくるかと思います。

(2)宝の持ち腐れになっていませんか?

VMIは工場の生産計画と在庫量を常に部品ベンダー側でも共有できることが大前提になっています。
部品ベンダーはパソコンを通して顧客である工場の生産計画と実際の生産活動の進捗を見ながら、部品の生産をコントロールできるのでムダが省けるという理屈です。
工場がどれだけ部品を使うのか、実際に使った後でないと、部品ベンダーには分かりませんでした。そのため部品ベンダー側では考えられる最大量を顧客の工場倉庫に在庫しておく必要がありました。
これに対してVMIでは、実際に工場で必要になるずっと前の段階で、需要情報を入手できるため、工夫ができるというわけです。
しかし、理屈通りにVMIを生かすことは容易ではありません。肝心の工場の生産計画の精度が悪ければ、部品ベンダーの生産活動と実需に大きな食い違いが生じてしまいます。また部品ベンダー側でも入手した需要情報を生産計画に機敏に反映させる体制ができていなければ、情報が宝の持ち腐れになってしまいます。

(3)VMI倉庫活用

1 VMI倉庫を活用することでVMI倉庫迄は積載効率重視(生産された荷姿)で搬送が可能となる。
2 VMI倉庫を活用することで、前倒し納入を依頼せずにユーザーの在庫低減につながる。
3 ユーザー工場は必要な時に必要な数量を要求してきますので、その要求に対応するためにはユーザー工場の近くに倉庫が必要となる。

(4)生産に集中しましょう

谷口運送はVMI倉庫の利点を生かすべく、複数のベンダーを倉庫に取りこみ、ユーザーの工場近くに倉庫を構えることで利便性を発揮しています。
また独自に開発したWMSシステムを導入しており、ユーザーからの発注情報をもらい、ピッキング~梱包・検品~JIT納入までの納入代行ができ、日々の発注量・倉庫での在庫数をベンダーへ報告することによりベンダーは生産業務に専念できます。
また入荷業務はWMS機能を駆使し、保管してある谷口運送の倉庫から在庫数を毎日ベンダーへ報告することにより、双方で在庫数の確認ができます。
谷口運送からユーザーへ搬送する際は複数のベンダーで倉庫・荷役機・作業員を共有することで生産量に応じた従量コストを採用し、売上げと搬送費用が比例する仕組みとなっているので、各々のベンダーにとっては搬送コスト低減になります。

 

次回は物流センター 5つの機能 その5 PCについて紹介します。

 

筆者紹介:営業部 小林貴宏

平昌冬季オリンピックが盛り上がっていますね。金メダルに手が届きそうで届かないのが残念です。世界には素晴らしい選手がいっぱいいますね。

羽生くんの復活にも期待してます。皆さんもオリンピック応援しましょう。

 

 

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