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第1回【自動車メーカー&サプライヤー目線で物流を考える~時代の変化を見据えた長期的戦略~】

こんにちは。谷口運送の小林です。
今回から、ジャンルを問わず様々な視点で谷口運送の考えや取り組みを発信していこうと思います。不定期発信ですが、皆様に谷口運送を知って頂ければと思います。

第一回目は、とても真面目なお題。 自動車生産調達物流に120年以上携わってきた当社の物流に対する考察と意見です。4回に渡って発信させて頂きます。

【自動車メーカー&サプライヤー目線で物流を考える~時代の変化を見据えた長期的戦略~】

§1 なぜ「物流」って日本ではパッとしないのでしょう? ~日本のロジスティクスの重要性が未だに低い理由~

最近では、ヤマト運輸さんのドライバー不足や時間配達・不在など、宅配でという切り口で物流の問題が世間で取り上げられ、「物流」が俄かに脚光を浴びてますが、そもそも本来は物流業者然り、企業の物流部門然り、今一パッとしない業界・業務ではあります…。

それでも、ヤマト運輸さんや佐川急便さんがキャラクター(クロネコ)やタレント(TOKIO、織田裕二)を起用して洗練されたCMを放送され、先に述べた問題などと相まって、物流業界(物流業務)のステータスは世間の同情がちょっぴり混じり、近年少しづつ良くなってきているのかな~なんて思うのです。

「物流」の事を「ロジスティクス」と置き換えて述べることが多くなり、横文字の方が格好良く聞こえるので、物流業界やコンサルティング業界では「ロジスティクス」という言葉をイコール「物流」みたいな括り方をしていますが、「物流」がパッとしない理由はそんなところに在るのではないでしょうか??

海外、特に欧米企業では「ロジスティクス」を経営戦略上非常に重要視して、革新的なサプライチェーンを構築し、優れた業績を納め続けています。代表的なのは、Amazonやウォルマート、IKEAなどです。 彼らはサプライチェーンに革命(イノベーション)を起こし、物流の仕組みを変えていったイノベーターでした。

しかしながら、我が国日本では、サプライチェーンに於ける輸配送・入出庫保管・梱包等の各物流プロセスを単に「ロジスティクス」という言葉に置き換えただけの企業や物流業者が多い様に思えます。
「ロジスティクス」とは直訳すると「兵站」と云いまして、戦場で後方に位置して、前線の部隊のために、軍需品・食糧・馬などの供給・補充や、後方連絡線の確保などをする意味の軍事用語から派生しました。
日本では残念ながらサプライチェーンに於ける「ロジスティクス」の重要性は認識されつつも、まだまだ経営戦略上での位置付けというか重要度が低いようです。

それはやはり、「ロジスティクス」という理論・知識に日本の企業が乏しいことと、「ロジスティクス」自体がコスト・センターとしての位置付け・認識から脱却できていないからだと思うのです。それでも、自動車業界や家電業界など、早くにその重要性に気付いた日本の業界・企業は着々と成長を続けてきています。
しかし、近年、「IoT」の登場で、「ロジスティクス」にものすごい「革命(イノベーション)」が起ころうとしているのです!!
次回配信 「§2 物流ビジネスの環境の変化~イノベーション1.0から4.0への変遷」に続きます…。
用語集:

「ロジスティクス」…「兵站」と云い、戦場で後方に位置して、前線の部隊のために、軍需品・食糧・馬などの供給・補充や、後方連絡線の確保などをする意味の軍事用語

「サプライチェーン」…企業の経営・管理で使用する用語で、原材料・部品の調達から、製造、在庫管理、販売、配送までの製品の全体的な流れのこと。 それぞれの工程が別個にあるのではなく、鎖としてつながっているという意味で、特に物流の仕組みや上流・下流を含めた複数企業間の連携を強調していう場合もある。

「コスト・センター」…企業において利益を生み出さない部門。集計されるのは費用だけで、その部門が提供するサービスのレベルと、サービスにかかる費用について責任を持つ。企業の収益に直接的には貢献しないものの、収益部門を支援する役割を担う。

「IoT」…Internet of Things(モノのインターネット)とはモノをインターネット経由で通信させることを意味し、様々なモノ、機械、人間の行動や自然現象の情報が従来のように人間がパソコン類を使用して入力したデータ以外にモノに取り付けられたセンサーが人手を介さずにデーターを入力し、インターネット経由で利用され、収集し可視化して、様々な問題を解決すること。

 

筆者紹介:営業部 小林


40代おっさんまっしぐら。お酒大好き、猫大好き。愛猫に引っ掻かれ、噛まれてもニコニコしてる変なおじさんです。会社から大森駅まで徒歩5分の帰宅時間が、途中の呑み屋さんの誘惑に負けて、徒歩2時間半になってしまう事が多々有ります…(泣)

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